
首の診療
首の診療
あまり知られていませんが、首のしこりや腫れは耳鼻咽喉科が得意とする分野です。
当院では首のしこりに対し、主に頸部エコー検査(頸部超音波検査)で適切に診断を行い、治療に繋げます。
当院の院長が今まで耳鼻咽喉科の専門医・指導医として多くの手術を経験した中で、鼻の手術に次いで2番目に手術経験が多いのが首の手術のため、専門的な意見をご希望の方は遠慮なくおっしゃってください。
耳の前から耳の下の腫れ、熱感、痛みが現れます。耳の前〜下にある耳下腺は顎下線とともに唾液をつくる場所です。つくられた唾液は管を通って口の中へ分泌されます。口の中からウイルスや細菌などが耳下腺に侵入し感染を起こすことで症状が出現します。おたふく風邪はその一種となります。また、小児期にこの症状を繰り返す反復性耳下腺炎というものがあります。まずは受診をして診断し、治療を開始することが重要です。
幼稚園年長〜学童期の小児に多く、片側または両側の耳の前から下側の腫れ、発熱、熱感、痛みなどの症状が現れます。ムンプスというウイルスが原因で感染力が強いため、通学は最低5日間は不可となります。また、同時に稀ですが聴力障害、髄膜炎を起こすことがあります。大人で感染を起こすと稀に睾丸炎、卵巣炎や膵炎などの重症合併症を起こすことが知られています。
また、ワクチンで予防することはできますが、100%ではなく、感染時に症状の軽減が可能といわれています。基本的には、耳下腺の腫れ、発熱が落ち着くまで自宅安静となります。
顎の下部にある顎下腺は唾液をつくる場所です。つくられた唾液は管を通って口の中へ分泌されます。この管の中のどこかで結石が生じると唾石となり、管を塞いでしまうと唾石症といわれます。
顎下腺は唾石が非常に生じやすい場所です。
通常食事をしようとすると唾液が多く分泌されるようになりますが、唾石があると管の途中で唾液がうまく流れないため、顎下腺が腫れます。唾石がある片側の顎の顎下腺のみが腫れます。食事をやめてしばらくすると腫れは治ります。まれに自然に排出されることもありますが、多くの場合は手術により管の一部を切って唾石を摘出するか、腺の近くに唾石ができている場合には顎下腺ごと摘出します。ご不安な方は、当院へご相談ください。
耳の前、耳の下にシコリが現れます。多くの場合は、押しても痛みはありません。良性のことがほとんどですが、まれに悪性(がん)が発見されることもあり、頸部エコー検査(頸部超音波検査)を初診時に行うことが大切です。治療は基本的に手術による摘出になります。まずは、腫瘍なのか他の病気なのか診断するために当院へご来院ください。
顎の下にシコリが現れます。多くの場合は、押しても痛みはありません。良性のことがほとんどですが、まれに悪性(がん)が発見されることもあり、頸部エコー検査(頸部超音波検査)を初診時に行うことが大切です。治療は基本的に手術による摘出になります。まずは、腫瘍なのか他の病気なのか診断するために当院へご来院ください。
首の中心付近から下部にかけて柔らかい、または弾力のあるシコリがある場合、甲状腺腫瘍を疑います。良性のことがほとんどですが、まれに悪性(がん)が発見されることもあり、頸部エコー検査(頸部超音波検査)を初診時に行うことが大切です。必要に応じて血液検査を追加します。まずは、甲状腺がんを疑うかどうかを判断することが大切ですので、当院へご来院ください。
健康診断で甲状腺の異常を指摘される場合も多く、その場合も当院へご相談ください。
首には多くのリンパ節があり、リンパ節が腫れる病気を頸部リンパ節炎といいます。
痛みがある場合、ない場合があります。かぜなどにより細菌やウイルスが鼻やのどに感染すると、首にあるリンパ節が働き、細菌やウイルスが全身に広がらないように食い止めます。その結果、リンパ節が腫れて痛みが出てきます。この状態を頸部リンパ節炎といいます。ただし、他にもリンパ節が腫れる原因はいろいろあり、まれにリンパ節の悪性(がん)が発見されることもあります。腫れが長引く場合、血液検査や頸部エコー検査(頸部超音波検査)が必要となりますので、当院へ一度ご来院ください。
上述の頸部リンパ節炎以外に頸部のリンパ節が腫脹する疾患は多くあります。結核が原因の結核性リンパ節炎は、結核に対する治療が必要です。まれに起こるリンパ節のがんである悪性リンパ腫はリンパ節そのものががん化する疾患です。頸部リンパ節に他の部位の癌が転移してリンパ節が腫脹するリンパ節転移の場合は、体のどこにがんの本体があるのか検査する必要があります。その他、伝染性単核球症、組織球性壊死性リンパ節炎、サルコイドーシスなど、見逃してはいけない疾患もあり、結核やがんと共に注意して取り扱う必要があります。
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